バイクフレームをオーダーする

PART1 BIXXISへようこそ!!

ユーザーとビルダーが互いに顔を合わせて対話し、作り手が顧客のことを知り、頭に思い描きながらフレームを製作する。ユーザーにとって特別なバイク購入の機会を、そして作り手のドリアーノには思い入れのあるものづくりの機会を提供したい。それがBIXXIS JAPANのコンセプトです。

新たなバイク購入を考えている方が選ぶ手段には以下のものがあります。

・ショップに行って店内に並んだ完成車・フレームを見て、スタッフに相談する。

・ネット通販で購入する

・知人やネットオークション等を通じて中古のバイクを探す

実際には他にも選択肢はあります。

『フレームビルダーにオーダーメイドのフレームを注文する』

ことです。

『フレームビルダーにオーダーメイドのフレームを注文する』これは一見マニアものだと思われがちだが、実はそうでもありません。むしろ、ロードバイクを購入することは本来、ユーザーが作り手(ビルダー)のもとに足を運び、顔を合わせてコミュニケーションしながら手間ひまをかけて行う“一大事業”であり、またそれが魅力でもありました。

昨今では、ロードバイクもパソコンやスマホで注文して自宅に届くという買い方ができてしまう、なんとも味気ないものになりましたが、ロードバイクの購入とは特別で大切なものを手に入れるという、まるで理想とする恋人探しを実現するような“お楽しみ”なのです(もちろん、購入した後も、パートナーと一緒の幸せな生活がスタートします)

とは言え、バイクフレームのオーダーメイド製作は、やっぱり敷居が高そうです。職人気質で不愛想なビルダーに鼻であしらわれるのでは?なんて不安もあります。そこを乗り越えたとしても、わざわざ事前予約を取って工房(ショールーム)に足を運ぶ手間もかかるし、フレームのサイズや色、オーダーが決まるまで試行錯誤の連続です。

だからこそ“お楽しみ”なのです。

BIXXIS(Biciclette Italaneper il XXI° Secolo:21世紀のイタリアンバイシクル )の名前には、単にハンドメイドのスチールバイクという、ある意味では時代に取り残されたものを取り扱うのではなく、自転車を手に入れるということが本来もつ“魅力”や、私たちに与えてくれる“幸福”というものをお届けし、21世紀の現代、そして未来に受け継いで行きたいという思いが込められています。

このページでは、BIXXISのハンドメイドバイクフレームのオーダーの全てをご紹介します。

まずはイタリアのBIXXISのオッフィチーナ(工房)をご案内しましょう。
BIXXISはイタリアのモンツァ・エ・ブリアンツァ県のセレーニョという町にあります。ミラノの北東15kmくらい、F1イタリアグランプリで知られるサーキットがあるモンツァ公園も近くにあります。

BIXXISのドリアーノ・デローザは、皆様もご存知、自転車ロードレースの分野で最もリスペクトされる伝説的なビルダーの息子にして一番弟子。14歳から父の工房の仕事を手伝い始めてから40年、父の偉大なレガシーを受け次ぐだけでなく、自身もフレームビルダーとして高く評価されています。とりわけチタンフレームにおいては世界の第一人者と知られる、正真正銘のマエストロ。

そんなドリアーノは2015年に娘のマルティーナと共にBIXXISを創設し、新たな冒険をはじめました。

オッフィチーナは、日本では考えられない、広々とした工房です。オフィススペースでは主にマルティーナがオフィスワークをしたり、来客時の応対をしています。

続いて工房部分を案内します。中は清潔で開放的ですが、機械を扱う工場特有の金属と油のにおいがする典型的な空間で、自転車工房に相違わないものです。手作業を営んでいるのがすぐにわかります。

内部にはチューブ裁断、切削用に使うフライス盤、加工したチューブを組み付けするための治具、溶接機械、最終チェック用の定盤などが設置されています。チタンフレーム製作用のブースもこの工房内にあります。

もしあなたが、他のフレームビルダーのところに赴く機会があれば、必ず作業場を見学できるか聞いてみてください。作業場を見ればビルダーの仕事ぶりやこだわりが一目でわかります。ものづくりのプロなら、自分の作業場を見せ、仕事の中身を説明することに躊躇する理由は無いでしょう。むしろ、そうすることでユーザーからの更なる信頼を得られるはずです。つまり、何らかの理由で見学を拒むようなら、残念ながらそれは信頼に値するビルダーではないかもしれません。

あなたは今、ロードバイクを購入しようとしています。そのバイクはこれから数百、数千kmの旅を共にする大切なパートナーになります。仮にショップでバイクを購入するとしても、信頼できない店で買いたいとは思いませんね。バイクのオーダーメイド製作も同じです。任せるビルダーが、そのフレームに丈夫でしかるべき太鼓判を押してくれなければ、貴方は納得できないでしょう。

バイク購入は単なる高い出費ではなく、特別で大切な買い物です。これから手に入れる製品を作る相手の顔を知り、その工房を知ることもまた、あなたの重要な権利であり義務です。

したがって、もしビルダーに全幅の信頼を置けないなら、製作をオーダーする前にもう少し様子をみて、考えてもよいかもしれません。

フレームビルダーの作業場は、言わば、職人の技巧を物語るショールームなのです。

さて、フレームオーダーの話しに戻りましょう。
皆さまはご来店の際にはあらかじめ、要望や指示を明確にしておき、ドリアーノとの対話の際にはその一覧をもとにコミュニケーションしてください。

「どんなフレームが欲しい」

「どのように使いたい」

「どれくらいの頻度で走る」

「どんなパーツを組み合わせたい」

などなど。

そして、これらに対して必ず“because”を説明できるよう用意しておきましょう。

「ユーザーのリクエストはもちろん重要だが、もっともな要望でなければ受け入れることはできない。だからユーザーとの対話はビルダーの仕事にとって不可欠な材料なんだ。」 とドリアーノ。

こうすることで、ビルダーが最適な提案ができ、ユーザーの理想のフレーム作りがより容易になります。 

ビルダーはフレームを製作する上で、先ず乗り手となるユーザーを知る必要があります。
正確に言えば”本来、フレーム作りは乗り手のことを知った上でやるもの。そのほうがユーザーにとって良いフレームが作れるのは当然のこと”ということ。「どんなタイプのサイクリストか?」「どんな乗り方をするのか?」「その特徴は?」 など、作り手が本来知るべき、求める情報は多種にわたります。そのため、ユーザーは自身のバイクとの付き合い方や、次のバイクに求める特徴などを述べます。 ドリアーノはそれを聞き、メモを取り、対話を重ねます。

フレームオーダーメイドのはじめの重要なこのプロセスを経ることで、ユーザーもまた、目の前に居るこのビルダーは、価値のあるフレームを製作してくれるのか、注文するに値する信頼できる人物か等を見極めることができます。

また、ドリアーノはこうも言っています

「ユーザーのことを知ることができれば、その人の希望を叶えるために全神経を集中してフレームを製作できる。だから顧客のために最善を尽くせるんだ」

ドリアーノがあなたのために作ったバイク、特別な思い入れのあるバイクを手に入れてください。だから、ドリアーノとしっかり対話して、彼にはよりあなたのことを知ってもらいましょう。

このように、BIXXISは作り手と乗り手の互いの信頼関係が構築され、その上での“ものづくり”が行われています。

次項ではイタリアのドリアーノとマルティーナとオンラインで対話して、あなたのフレーム製作が進行します。

PART1 BIXXISへようこそ!
フレームオーダーの前に、まずはイタリアのBIXXISオッフィチーナをご紹介します【読む】

PART2  ドリアーノとオンラインで対話
日本からオンラインでイタリアのドリアーノと顔を合わせて話してみよう【読む】

 

PART3 フレームジオメトリ設計
ディスカッションを終えたら、顧客の要望をベースにフレームの設計に取り掛かります 【読む】

PART4 フレーム製作
CAD製作した設計デザインをもとに、いよいよオッフィチーナでの手を汚しながら行う作業がはじまります【読む】

PART5  フレーム塗装、いよいよ完成
完成したフレームはペインターのもとに届けられ、いよいよあなたのバイクが完成します 【読む】